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[コラム] 仏教とスタバと清原

2016年2月noteより

ちょっと大きめの本屋さんに言った。...
目的は仏教の本だった。
途中、グラビア写真集コーナーがあった。
僕は是枝監督の海街ダイヤリーを観てから、広瀬すずちゃんの大ファンであり、写真集が出ていることも知っていたので、ちょっと探してみることにした。

ところが、いざ探そうとすると、写真集たちは五十音順に並んでいないのだ。バラバラ。知らなかった。

これは諦めのつかない具合の障壁。しょうがなく上の棚から順番にくまなく探していった。

周りから見たら、グラビアアイドルの写真集を真剣に選ぶ、大型の変態おやじだろう。しかし構うもんか。俺は広瀬すずちゃんの透明感に癒されたいのだ。イヤラシイ気持ちはこれっぽっちもない!いや、あってもいいやないか!

そう自分に言い聞かせながら探していると、ある写真集の背表紙が目についた。
「清原亜希」
そう、先日覚醒剤所持で捕まった清原さんの元奥さん。しかもその写真集だけビニールの袋がついておらず、中身を読める状態だった。

僕は手に取って読み始めた。モデルとしての彼女の日常。食生活やオシャレへのこだわり、シンプルな生活に好感がもてる内容だった。         
後半のページに進むと、当時は夫であった清原さんのことも書いてあった。 大変に親思いの人である事、子煩悩な人であること、亜希さんに送られた気持ちのこもった手紙の数々。

二人の間に当時あった人間としてのシンプルな幸せ。愛情。支え合い。そういうものを清原さんは持っていた。今も無くしたというわけではないだろう。それはきっと持っている。

ここ最近のマスメディアの人間叩きはエスカレートする一方だ。一つの事件をきっかけにして、まるでその人の人間性を決めつけるような報道が続いている。ベッキーの事にしても、自殺してしまうのではないかと心配してしまうほど徹底的にたたく。プライベートまで公開する。目に余るものがある。大人のイジメである。

人間は誰しも素晴らしい行いをするときもあれば、間違いを犯してしまうこともある。なぜこうも人を許さない風潮が強くなっているのだろう。

しかしだ。そんなことを真面目に考えている僕はだ。グラビアアイドルたちがひしめき合う写真集コーナーのど真ん中。仁王立ち、ビニールに包まれているはずの写真集を、なぜかページを丁寧にめくり、これ以上ないほど真剣なまなざしで眺めている。怖いタイプの変態。

「君たち、僕を大型新人の変態だと思っているな。しかし君たち、僕の頭の中は社会情勢を憂いつつ、人間愛にあふれているんだぞ。ん?そこの若いママさん、あんたはその編み物の本を見ていると見せかけて、頭の中は昨日の不倫をどう隠そうか考えているんだろう?僕の方がよっぽど健全だ。ふん!」

などと考えてみても、まあ理解されるわけもなく。

つまり、人は人のことをどうとでも捉えるのだ。

清原さんに何があったのかは分からない。でも人間は一つの性質だけを持っているわけではない。
見え方はいろいろだが、様々なことを内面に抱えている。
そしてそれは日々変わる。

清原さんの人間味ある幸せなエピソードを見ながら、そんなことを思った。

さて、広瀬すずちゃんの写真集は見つからず、僕は目的だったはずの仏教の本はさらっと眺めただけで、本屋を後にした。

本屋を出る時、本屋に併設されているスタバをちらっと見た。         
すると若い女性の店員が、テーブルに座っているお客さんを見上げる形で膝立ちに屈み、何か説明してた。その笑顔が何とも素敵で目を奪われた。心からそのお客さんに好意を持って話をしているような。愛に溢れた笑顔だった。       
広瀬すずちゃんの透明感を求めて、それが叶わなかった僕は、その笑顔にひきつけられるようにレジ前に立っていた。   
280円の一番安いドリップコーヒーを注文。
その女性が満面の笑顔で対応してくれた。

「仏教の本を見に行く」という動機は、僕の頭の中の動機であった。      
しかし、僕の心はそれよりも、広瀬すずちゃんや、スタバの店員の笑顔にひきつけられた。
本当に求めていることは、自分にすら分からないのだ。    

人間というのは、頭であれこれ考えても、意思と関係なく必要なものを追いかけるものではないだろうか。

その人間の本質に、強制的に強度を加えてしまうのが薬物だ。       

清原さんは薬物に依存してしまった。                  
こうなっては、もはや「人間一人」の手には負えない。      
これからが大変だろう。
一度脳に刷り込まれた快楽は、半端なことでは抜けてくれないからだ。
しかし、それは「人間一人」から脱出するためのスタートかもしれない。  
そうなってくれることを心から願いたい。 

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